「バイ菌扱いですね」
「……。そうしたい」
はあ、とため息をつくカルツは、ソファーに腰かけた。
取り残された紙袋。中身を覗けば、パン三昧。
「パン屋で大人買いですか……」
「どれが美味しいのか分からなかったから、ある物一つずつ買ってきた」
選ぶのが面倒なら買わなきゃいいのに、と“猫”はサラダサンドを手に取る。
ビニールの包みを広げ、すんすん、と匂いを確認しても、毒の匂いなんか分からないかと無防備に食べて見せる。
「……」
「……」
「潰したくなるんじゃないんですか」
「我慢してる」
「有り難い我慢ですね」
紙袋からクリームパンを出し、カルツに投げる。
ベッドとソファーの位置は離れている、ベッドから降りるのも億劫に感じる“猫”の手渡しだ。