「食べ物なら、勝手に拝借して頂きますが」


「野菜とか肉とか腐っているよ。二週間以上、買い物する奴なんかいないんだから」


「あなたが住んでいるのでは?」


「いや。近場で仕事あった時の拠点にでもしようかと。――もっとも、バレるまでの話だけど」


家主が死んだと周りに知られないあたり、相当周到な手段で殺害したか。


そんな頭のキレる殺害代行人だが、首を揉み、うなじから手を離す。


「慣れないことすると、疲れる」


「肩でも揉みますか」


「お前殺した後に、触られた部分を削ぎ落としたくなるからやめてくれ」