大発見だと言うカルツに、“猫”は毒気を抜かれた。
警戒が解けて、強張った肩から力が抜けるが――やはり油断ならないと、マカロフだけは手に取る。
「弾、ありますか」
「玄関先に置いてある。――目が覚めたなら、早く俺の前から消えてくれ」
組まれた足が崩される。
カルツの手元には、デザートイーグル。銀銃の大口径が“猫”に向けられることはないが。
「でないと――潰したくなる」
それも時間の問題だと、笑う死神。
もうしかしたら内心、相当苛ついているのかもしれない。
“猫”とて早々に立ち去りたいが、ベッドから降りようとしただけでも体中が悲鳴を上げた。
喉まで上がって来ないのは何よりだが、これでは銃あっても自身の身を守れない。