薄暗い店内の中には想像していたとおりの老人が一人座っていた。

「いらっしゃい」

しわがれた声で声をかけられ背筋が寒くなるのを感じた。

店内を見回すと骨董屋らしい陶器や絵、よくわからないものが怪しげに並んでいた。

ふと目をやった店の片隅に一枚の絵に心惹かれた。
一人の十二単を着た女性と和歌が書いてあるものだった。

和歌は草書で書かれていて到底僕に読めるものではなかったけれどどこか心惹かれるものがあった。