少女にいわれて目についた目の前の景色は恐ろしいほどの紫陽花畑だった。

敷き詰められているような紫陽花の中に一軒の家が在った。

あまりの紫陽花の多さに呆然としていると少女がいった。

「入らないの?」

入らなくても関係ないけどといった様子で家の戸を開いた。彼女は絵を持っているのが僕だということを忘れているのだろうか。