「優しい人かぁ…。…あすな、人に騙されやすそうだね」
そう言って苦笑いをする宇都宮くんに、あたしは首を傾げた。
「どうして?」
「だってその優しさを少しでも見せたら誰だって“優しい人”に見えるでしょ?」
「……」
…確かに。宇都宮くんの言うことは当たってる。
あたし、滅多に人を疑ったりしないからなぁ…。騙されやすいかも。
「まっ、あすなに近付くもの全部おれが許さないけどね!」
にこっと笑ってあたしを見る宇都宮くん。
少し、どきっと心臓が高鳴ったのは…内緒にしておこう。
「あ〜、あすな良いなぁ…。優葉くんみたいな彼氏欲しい〜」
「ぶっ!?」
優香がいきなり“彼氏”なんて言うから、思い切りお茶を吹き出した。