「いつやるの?試写会」


「えー…いつだっけ?」


「…聞いてんの私なんだけど」



まあ、いいけど。

そう言う友達に笑ってごまかしたが、本当にいつだったか覚えていない。





それがずっと気になって、今日の授業は集中出来なかった。いつも集中してるのかと聞かれたら、ハイとは言えないが。





「アオー帰ろー」

放課後は自由の時間。

「うん。あっ!」

「ん?」

「当たった!」

そう言って、私が友達に見せたのが十円ガムのあたり紙。

「よかったねー」

友達は棒読みで言う。

「…………………」

うん。もういい。

この人の冷たさにはもう慣れましたよ。

「そう言うけどさー、これ当たるの今日で三回目なんだよー?」

「うっそ!」

この話には食い付いたようだ。

友達のたまの反応の良さに気を良くした私は、話を続ける。

「そうなの。このガム当たりの当たりだもん」


マジかぁ~!
そうケラケラ笑う友達は、ふっと笑いを止めて真顔になる。


「ヤバいんじゃない?今日、色々当たりすぎでしょ。これから最悪なことが起こるかも…!」


「え……」


縁起でもないことを言われ、肩がブルッと震える。

 
「そんなこと……」


「人生は、わからないよ!」


彼女があまりにも彼女らしくないことを言うから本当にこれから最悪なことが起こる気がしてきた。