「よろ…」
私も挨拶をしようとしたそのときその声は遮られた。
「ここではなんだ。もう少し…きちんとした部屋で落ち着いてから自己紹介はしよう」
王子に。
相変わらず威厳のある声。従うことしか許さないようなこの声に圧倒されてしまう。
「はい…」
なんとなく緊張して王子を見ずに返事をすると、先を歩く王子の後についた。
わぁお。
案内された部屋はまたまたすごい部屋。
なんでも、この広さで休憩室なんだって。
「さて」
一番にソファに腰をかけた王子はそう、切り出した。
私たちもソファに腰を下ろし、王子の次の言葉を待つ。
「私の自己紹介はいいだろう。先程したからな。同じことを二度と言うのは好きではない。
マイク、お前からだ」
王子が指したのは、あの中肉中背の男だった。
そして、私は吹きそうになる。
だって…
マイク!?マイクだって!
よく英語の教科書とかに出てくる!
すごいすごいっ!本当にいるんだ…マイクさん。