「お母さん…」


最終的には身内に助けを求めた。


だがお母さんは首を横に振るばかりである。


「決定事項なんだって。抗えないわ」


そんなの…私だって解ってる…。
だからお母さんに助けを求めたのに…。


「それに…」


お母さんは続けた。


「悪いことばかりじゃないの。プリンセスになればこれからのアオの生活は保証されるって。アオは、一生お金に困ることがなくなるんだよ」



「でも…」



「お母さん、アオが好きなように生きてくれるのも幸せだけど…でも、アオには不自由な生活してほしくないの。特にお金の面でだけは…」



お母さんの両親。つまり、私の祖父母は愛のために結婚して、お金のない生活をしてきた。私のお母さんはお金ない生活の大変さをよく知っているのだ。


だから、私に言う。

『お金のない生活はするな』と。



「お母さんの言いたいこと解る?解って?」




…………………解ってるよ。お母さんの言いたいこと。



このままこの人たちに逆らって逃げたりしたら苦しい生活しか待ってないって言いたいんでしょ?



だから、大人しく結婚しろってことでしょ?




なんで…そんなこと……言うかなぁ……。