「おっはよ~!」
教室の扉のところで大声を出した私をみんな一斉に見て。
「おはよー」なんて言ってくれる子もいれば、友達との会話を再開する子もいて…。
いつもの光景だ。
「アオ~。どしたの?今日機嫌いいじゃん」
「!わかる?」
私の異変に気づいては笑うのが友達だ。
「ちょっと、聞いてくれる~?」
「おー。ていうか、聞いてんのこっちだし」
「あのね!あのねぇ!映画の試写会当たったの!!」
「あー…好きな俳優が出るって言う…?」
「そぉ!」
私が身を乗り出して答えれば
「へー」
興味無さそうに相づちされた。
「それだけ…?」
「…………おめでと」
全く心の籠もっていないお祝いの言葉に一応でも礼を言う。
「……………ありがと…」