あ…今、すごくロマンチックな雰囲気じゃないけど呼び捨てしようかな!??



『ねぇ!!』


『ん?』


…る…瑠樹だよね?


よ、呼ぶんだ!!


『る…る…』


『…る?』


意味が分からないと言う顔をする…あだ…瑠樹…君。


『る…』


『何だよ?』


緊張できっと私の顔は真っ赤だ。

よ、よし!!


固く決意した私は真っ直ぐに言う。




『る…瑠樹!!』


『…』



ビックリした顔で硬直する…瑠樹…。


居づらくて立ち上がる私の腕を掴んで引き寄せられる。



『え…?』



『いい逃げすんの?』


ニヤリと笑う瑠樹。


な…いい逃げ!?


どんだけ頑張ったと思ってんのよ!!

ムカッと来て安達君を睨む。


『いい逃げじゃない!!だったら何回も言ってやるわよ!瑠樹、るきー!るーきー!瑠樹のばーか!!好きだぁぁぁぁー!!ばー…っ!!!!!!』



ムキになって言いまくっていると手で口を塞がれた。



『黙れ。』


『黙るか!!るーきー安達るーきー!!』



『黙らねぇと、その口塞ぐぞ?』


『さっき手で塞いだじゃん!!そんな簡単に塞がれるわけー…っ!!?』



…塞がれてしまった…。

瑠樹の口に。


抵抗しようと両手で瑠樹の肩を押したり叩いたりしても効果なし。

逆に安達君の手に捕まれてしまった。


『まっ…ん…る…きぃ…』



途切れ途切れの言葉。


酸素がたりない…。
死ぬ!!