朝になり、健太が出発する日になってしまった

「健太、時間だよ」

声を掛けただけでは起きてくれず、私は健太の体を揺する

「ほら、起きて」

「う…ん」

渋々ベットから起き、ソファまで行きタバコを吸っていた

「ご飯は?」

「いらないかな」

健太はまだ眠気が覚めないようで私はコーヒーを入れ、健太に渡した

あと行くまで1時間だった

健太はシャワーを浴びにお風呂へ行き、私も短大へ行く準備をした

あとどのぐらいかと、時間が気になり、何度も時計を見ていた

健太はシャワーから上がり、髪をセットしていた。その姿がかっこよくて、見惚れていた

「亜美、うち帰る?」

「ううん。このまま短大行こうかな」

「じゃ、出ようか」

「うん」

もう行ってしまうんだと思ったら、悲しくて涙目になっていた。でも歯を食い縛り、絶対泣くもんかと、自分を励ました

「亜美」

後ろから呼ばれ、私は振り向いた

健太は私に歩み寄り、ギュッと抱き締め

「ごめんな、我慢させて」

そう言われて、堪えていた物が溢れだした

「大丈夫だから」

「大丈夫じゃないだろ」

ほんとは大丈夫じゃない。寂しくて仕方がない。それにやっぱり不安だった

「ちゃんと連絡するから」

私は下を向いたままだった

健太が私の両頬を挟み

「顔見せて」

私は顔を上げられ、健太の目を真っ直ぐ見た。健太も私の目を見て

「待ってろよ」

そう言って、キスをした

そのまま何も言わず、手を繋いでエレベーターに乗った

そして車に乗り、短大へ向かった