健太がくつろいでいる間、私はオムライスを作っていた

なんだか昔を思い出した

地元にいた頃、健太が曲作りをして、その歌声を聞きながらご飯支度をしていた

「何笑ってんの」

私が一人でニヤけているのに気付いたようで、健太はキッチンに来た

「ほら、邪魔だから座っててよ」

「やだ」

私の後ろにぴったりとくっつき、私は身動きが出来ない

「オムライス作れないよ」

「もうちょっとこのままでいさせて」

後ろから私の腰に手を回し、じっとしていた

「もういい?」

「まだ」

健太は私のスカートを上に上げて捲ってきた

「ちょっと健太ぁ」

「我慢出来ないんだけど」

「無理。ご飯だから」

「甘えさせて」

私の横の髪を避け、首筋に健太の唇が触れる

「だめ…」

だめなのに私は立っていられなくなる

「ほんとにだめ。健太後からにして」

「じゃ、後からにする」

健太が離れた時、私は力が抜けかけていて、体制を崩した

「危ねぇ」

健太に支えられた

「もぉ、健太が悪いんだよ」

ニヤッと笑い、

「亜美かわいい」

私をギュッと抱きしめた

「俺も手伝うから」

そう言って私から離れ、サラダを作ってくれた

健太の一つ一つに私はドキドキしてしまう。きっといつになってもこれは治らないんだろうな、と思った