カナタはぽんぽんとあたしの背中を叩きながら、事のいきさつを話し出した。







「いや、僕にとってもいきなりだったんだけどさ。



いつだったかな?


昼休みに、知らない女の子から急に呼び出されて。



で、『私と付き合ってください』って言われて」







「………は?


それで、じゃあ、って言って、付き合ったの?


知らない子と??」







あたしが驚いてそう訊ねると。






「いや、そんなわけないでしょ。


もちろん、『僕、あなたのこと知らないから、嫌だ』って答えたよ」







おー、あいかわらず馬鹿正直かつ冷酷ですね。







「そしたらさ、その子、『付き合ってくれなきゃ、死んじゃう』って」






「はぁっ!!??」








なにそれ!?




昼ドラかよ!!







あ、カナタさん、昼ドラなんて知らないよね。




NHKの朝ドラでさえ、知ってるかどうか微妙なとこだもんね。