「なに、聞こえなかったの?


だから、付き合ってる子いる、って言ったんだよ。



みーちゃんたら、耳、遠くなっちゃったんじゃない?


ちょっと気が早いよ。



まだ十代なんだから、あと50年はがんばらなきゃ」














………あたしはなぜか、すぐには言葉が出なかった。





いつもだったら、すぐに反論するのに。









「…………カナタ、ほんとなの?



彼女、できたの…………?」








あたしの声は、自分でも分かるくらい細くて弱々しくて、思いっきり震えてた。




カナタは少し眉を上げた。







「本当だよ。



僕がみーちゃんに嘘つくわけないでしょ」