とか、馬鹿いってたって、仕方ありませんね。





あたしは意を決して、彼女に声をかけることにした。







「………なんか用っすか?」







あー、あかんやーん。




なんでかいな、ヤンキー口調なってもーたがなー。







でもその子は、あたしの口調には頓着してない模様。





無表情のまま、一歩あたしのほうに近づいてきた。






「………あの」




「へ?」




「あなた、冴木美遊さんですよね?」







おー、なんとなく想像ついてたけど、声ちっちゃ!!





でも「サエキミユ」って微かに聞こえたから、あたしが誰かは知ってるっぽいな。






なんで?



あたしって、そんなに有名人?





よく分かんないなぁ。






あたしが黙ってると、その子はまた口を開いた。






「私、G組の富田春子です」





「はぁ………」






名前きいても、ぴんと来ないや。