それはさておき、授業が始まるまでに少し時間があったので、あたしはカナタと別れてトイレに向かった。






入り口のドアを開けて中に入ると、手洗い場の鏡の前に、一人の女子生徒がいた。





んー、見たことない子だなぁ。




でも、上履きの色が赤だから、おなじ一年生だな。





真っ黒な髪の毛を二つ結びにして、前髪が目のすぐ上で切り揃えられてて、銀色のフレームの眼鏡かけてて。




なんだか、大人しそうな子。






その子は鏡を見ながら髪を結び直していたけど、あたしが入ってくるのに気がついて、ちらりとこっちを見た。




そのまま、個室に入るあたしを目で追ってくる。






………な、なんだよぅ。



なんか、気まずいじゃん。



見ないでー。






でも、文句いうわけにもいかないし、あたしは無視して個室に入った。







用を足して個室を出ると。






…………ええっ!?



さっきの女の子、まだいるし!!




しかも、思いっきりこっち見てるー!!!




なな、なんで?



まさか、出待ち??




えーっ、あたしのファン???