「それにさ、この前、驚くべきことを聞いちゃったんだけど」






なんでしょうね、いったい。






「なんと、大学生とかも、講義中ほとんど寝てるって話なんだよ!」







カナタはまるで宇宙人にでも遭遇したかのような表情でそう言った。




そして次は、眉をひそめて悩ましげな顔になる。







「まったく、どうかしてるよね。



大学っていうのは、学問を深めるために行くところなんだよ?


高校までのように知識や学力を身につけるためじゃなくて、ある特定の分野の学問を、自らの意志と思考力でもって究めるためにあるんだよ。



だからこそ、それに見合った優秀な教授陣を大学側は揃えているわけであって、そのぶん、学費も高額になる。


それらのことをかんがみても、教授の話は一秒たりとも気を抜かずに聞くべきだし、そこから学べることは計り知れないほど大きいはずだよね。



それなのに、親に高い学費を払わせておいて、授業をさぼったり寝たりするなんて、論外だよ。


まったくお金の無駄だよね」






「……………」







うおー、カナタさま、ノンストップ。




あたしは何も口を挟めない。







しかしまぁ、世の9割5分の大学生は、この話を聞いたら青ざめるか紅潮するだろうね。