「でもリンが一番大切なのに、どんな事が傷付ける事かも俺はわからなかった。それまでずっと、ほとんど一人だったから……」


だから理解して欲しいとかわからなくて仕方ないとか、そんな事を言いたいんじゃない。


ただ俺が重ねてきた馬鹿な嘘を包み隠さず伝えたかった。


どんなに格好悪くても。呆れられても。


「あれ?じゃあさ、助手席から煙草をポイ捨てした女を説教したとか、駆け引きして落とすのが面白いとか言ってたのは?」


ぐっ、そ、そんなアホな事俺言ってましたっけ?……いやきっと言ったかも……。


とんだ虚偽の発言が自分の口から出ていた事に顔から業火が出てきそうになる。


「そのような事実はございません。お恥ずかしい限りです……」