しばらくしておもむろにリンが口を開いた。


「てかさ、高校で彼女とも言えないくらいの浅い付き合いして、風俗で合体したけど不発で、サキがやっと出来た彼女って事はさ。忘れらんなくて当たり前なんじゃね?」


リンが俺の表情を見極めるようにキツイ上目使いで俺を見る。


「違うよ!その逆なんだよ!正直彼女って存在に憧れがあったんだ。だから告白されて好きでもないのに付き合ってやっと大人になった気はしたけど、体だけじゃ駄目なんだって物凄く後悔した。あんな付き合い、二度としちゃいけないし二度としたくない……!」


俺は膝の上に置いてた拳を強く握った。


「リンと出会う前はいいなって思っても、なぜか好きって感情にはなれなかったんだ。だからリンの事を好きになった時、奇跡が起こったと思った。でも……」


次の言葉を待ってるのか、リンが黙って俺を見つめてる。