……吉原の外にいたのは、売られる以前しかなかった。

だから、外に出るのは…何年ぶりだろう。

不謹慎にも、私は窓から顔を出し、周りを見渡す。
「……本当に久しぶり」

変なケダモノに買われたのに、外に出られた事を素直に喜んでいる自分がいる。

でも勿論、このまま大人しく買わているつもりはない。