明け方ーーー

あの綺麗な客の後にも二人お座敷が入り、私は疲れ果てていた。

……そういえば、名前聞いなかったな。

「はあ〜疲れた」

私が部屋でお茶を飲んでいると、椿が入って来た。

「椿。お疲れさま」
「あ、美桜」

私は椿の分の湯飲みも用意し、急須でお茶を入れる。

「ありがと美桜」
「いいよ」

椿、最近なんかやつれてる。大丈夫かな。

「今日の客荒くて、大変だったんだ」
椿がうなだれながら言う。