あの日を最後に、ママが帰ってくることはなかった…。

だけど、僕にはパパがいるし、 隣の家にはせーちゃんもびーくんもいるから、大丈夫。そう思えたのに…



「あっ、とーちゃん!あのね、せーちゃん、引っ越しするんだって!」


えっ??う、そ…だよね?うそって言って、お願いだから…。


「だからね、とーちゃんとバイバイしなきゃいけないんだって。どうしてな…」


そんな…


「もういいよ!どこにでも行っちゃえばいい!せーちゃんなんか嫌いだ!!」


結局みんないなくなっちゃうんだ。僕は1人なんだ。


「とーちゃん!?待ってよ~。引っ越しってなぁに?ねぇ、とーちゃんってばー。」