◇◇◇
「あのね。未桜、よく聞いて。」
久々の千尋の真剣な顔にポッキーを食べていた手を止める。
「わかった。どうしたの??」
千尋の悩みとかだったらちゃんと真剣に聞いてあげたい。
「私ね…実は好きな人が出来たの。」
パキッッ
――えぇー!? あの…あの…あの千尋が!?
バスケが恋人って言ってた千尋が!?
思わずポッキーを折ってしまった。
なにも言えずポカーンとしていると。
「未桜、口開いてる…。まぁ当たり前よね。急にこんなこと言ってごめん。」
「違う違う違う違います!! 全然千尋さんは謝らなくていいのですよ!!」
「あはは。未桜、言葉の使い方が変わっちゃってるよ。千尋さんって……。」
クスクスと上品に笑う千尋さん。