高校最寄りの駅を出て、深呼吸をする
「はぁ…やっと空気吸えた…」
「今まで何を吸って立ってたの?」
なにも言わず私は琉斗を睨む
いつからこんな憎たらしくなったんだ…
昔は私よりちっちゃくて私より馬鹿で私より泣き虫で…
今じゃ何もかも琉斗の方が上だ
身長なんか15cmくらい違くない?
意識すると急に琉斗が一人の『男子』として見えてきた
…何言ってるんだ、琉斗は弟だ、私と双子の、家族だ
「…てか歩くの早い!!」
「あぁ、御子黙ってるから一人で歩いてるのかと思った」
「もういい、一人で行くから」
私は琉斗を抜かすように大股で早歩きした
あれ?琉斗と並行してる?
「…遅」
私の中で何かが切れた
「馬鹿!帰り迎えにくんなよ!」
「御子が来てるんだろ」
「!!」
精一杯の捨て台詞も的確に返してきた
私は走って学校へ向かう