「早く御子遅れるよ」



「先行っててよ」



高校2年の春、いつもの朝



私は食パンを無理矢理口に詰め込み、オレンジジュースで流し込んだ



「そんな食べ方してると太るぞ」



「うっさい、早く出て」



昔は可愛い弟だったのになー…、今では生意気になってしまった



琉斗と家を出て、家から電車で15分の学校へ向かう



「何だよ、あと10分もあるじゃん」



「ねぇ御子」



「何?」



「制服のシャツ、ボタン開いてる」



「!?」



上から三番目のボタンが外れていて下着が見えていた



私は慌てて閉め、琉斗と距離を取る



「恥ずかしがってんの?御子の胸見て欲情するほど飢えてないから心配すんな」



「うっさい!!」



飢えてないからって…



綺麗な少し長めの黒髪に普通より整った顔、細身の長身、…琉斗って…