だったら…






消えればいい。






私は床に落ちてる少し大きめのガラスの破片を手に取った。











『……ねぇ、このガラスの破片で首を切れば…







シネル…?』







私はガラスを持った手を首に降り下ろした。





首に少しの痛みと私に駆け寄ってくる東屋さんの姿が私が最後に見たものだった。














ーーーーーーーーーー





「華音っ!!」






華音に駆け寄ると真っ白な首から血が流れてる。





すぐに琉聖に連絡をした。





「琉聖っ!!早く車を出せ!!急げ!!」




傷は浅いようだが華音の意識はない。











俺は自分の上着を華音の頭に被せ屋敷をでる。





ちょうどいいタイミングで琉聖が車に乗って来た。






「なにがあったんだ?」




「華音がガラスの破片で首を切った…傷は浅いようだが意識がない。吉永のとこに連れていく。」





吉永とは俺ら東屋組が世話になっている医者。





「了解。」




車はスピードを上げて走り出した。





ーーーーーーーーーー











《やめてっ…やめてお母さん……やめてっ…あっ…やっ…アァーーーー……》








……目を開けると見知らぬ世界が広がった。





真っ黒なベット。




ここ、どこ……?




起き上がろうとしたら首に痛みが走った。











……わたし。





シネナカッタンダ。






ガチャッ




誰かが部屋に入って来た。





「おぉ。起きたか…」






金の目。





『……東屋…さん…?』




「傷はまだ痛むか?」





『……少し…。』












東屋さんの真っ黒な服に金の目が優しく光る。





綺麗だ…。




「……華音……」




東屋さんが私に近づく。











……キチャダメ



ワタシハキタナイ。





キタナイ。






『来ないでっ!!』




東屋さんの脚が止まる。





ワタシハ…キタナイ…。












『汚い…私は汚い…呪われてる…気持ち悪い…キタナイ…キタナイ…キタナイ…』





手のひらに爪が食い込む。



既に傷ついてる上にまた血が流れる。





すると突然、シトラスの香りが私を包んだ。




……っ!!