思ったよりも早く終わり華音に会えることが嬉しく舞い上がっていた俺は気付かなかった。
俺の後ろで李が笑っていたことを。
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翔輝が外国にいって4日目の12月23日。
昨日、翔輝からメールがきた。
クリスマスは二人ですごそうな。
って。
明日翔輝が帰ってくる。
私は部屋のハンガーにかかった白いワンピースに目を向けた。
前に翔輝が25日の夜は組でクリスマスパーティーをするっていってた。
その時にきよ。
「華音ちゃーん?お昼どうする?」
リビングから壱帆さんの声がした。
「あ、私作りますっ!!」
いそいでリビングに向かった。
そしていつも通り昼食を食べ、壱帆さんの仕事に着いていく。
いつも通り痛いって叫ぶ男の人や女の人の声をき来ながらカーテンの中で眠る。
いつも通り夕方に拓哉さんの迎えがきて3人でマンションに戻る。
いつも通り壱帆さんと晩ごはんを作って拓哉さんと3人で食べる。
いつも通りだった。
いつも通りのはずだった。
~♪~♪~♪
「華音ちゃーん?電話なってるよ?」
珍しく私のスマホの電話がなる。
画面に写された“琉聖”の文字。
……?
なんだろ?
『はい、』
「あ。華音ちゃんっ!?」
焦ったような琉聖さんの声。
「ほ、香港……香港に早く来てっ!!」
……?
え?
香港……?
「ごめん、壱帆さんにかわって?」
『あ、はい。』
私は不思議そうな顔をした壱帆さんにスマホを渡す。
「はい、…………っ!!それで、どこ?…………わかった。すぐ行く、たぶん夜中には着くから………わかった。」
なんだろ。
どうして香港?
「華音ちゃんっ、パスポートある?」
『あ、はい。』
前に翔輝に言われてつくった。
「拓哉、空港まで送って!!早く!!」
私の腕を握り玄関に走る壱帆さん。
拓哉さんも状況が分かったのかすぐに車をマンションの前に止めた。
『い、壱帆さん?』
「詳しくは車ではなすからっ!!」
壱帆さんに車に乗せられすぐに車が走り出す。
『い、壱帆さん。ど、どうしたんですか?』
一人だけ状況がわからない私。
「華音ちゃん…落ち着いて聞いてね…」
壱帆さんの顔つきが変わる。
「翔輝が撃たれたの。」