どこか不気味さを漂わせるメロディ
徐々に速まるテンポ
時々なる不協和音
5ページも及ぶこの曲を閉めるのは…
全8音の和音
東屋組に行ってから1週間がたった今日。
今日は翔輝の仕事が休みだ。
「なぁ、華音。」
午前10時。
『ん?』
「今日の夜…街へ出てみないか?」
……
え?
「って…まだ無理か…。」
翔輝が少し寂しそうに私の頭を撫でた。
胸が痛む。
街へ出るってことは私の瞳と髪が人目に触れるってことだ。
“呪われた子”
「ごめん、忘れてくれ。焦らなくていい。」
『……きましょう…』
「え?」
『行きましょ♪デート!!』
「はぁ?」
初めてのデートだ。
無駄にしちゃいけない!!
「え、でも華音…」
『翔輝が一緒なら大丈夫。』
わっ!!
翔輝は私を強く抱き締めた。
「どこにいく!?なに食べたい!?なにか欲しいものはあるか!?」
翔輝は嬉しそうにわしゃわしゃと私の頭を撫でた。
『翔輝に任せます!!』
この時は思いもしなかった。
まさか…
あいつらに会ってしまうなんて…。
『しょ、翔輝……これ着るの?』
「他になにがある。」
……はぁ。
私の手にあるのは…
真っ黒な黒いワンピース。
かなり胸元と背中が空いてる。
まぁ、コートはあるが…
でも…
は、恥ずかしい。
「着せてやろうか?」
……。
真顔で聞いてくる翔輝はある意味すごい。
「嘘だ。後ろを向いとくから着替えろ。」
翔輝は私を1人にしない。
着替えの時も翔輝は後ろを向くだけ。
普通の人からしたら変かもしれないけど私はその方がありがたい。
1人になると…
色々フラッシュバックする。