……っ…




坦々と話す華音の口調はあまりにも冷たく“無”だった。





俺は華音を追い込んだ奴らへの怒りで華音を抱き締める力が強くなった。










『翔輝…さん…?痛い。』




「……俺は…離さない。お前は汚くねぇよ…」




『翔輝…さん…』










しばらくすると肩から寝息が聞こえた。




俺はゆっくり華音をベットに寝かせると寝室をでた。




「琉聖…」



ドアにもたれ掛かる琉聖。











「……ったく。人使いの荒い若頭だな。わぁかったよ。母親探せばいいんだろ。」




琉聖はニヤッと笑った。




「わりぃな。」





絶対守る。




華音を傷つけた奴らは全員排除してやる。




ーーーーーーーーーー









『ん………』




手の温もりで目を覚ました。




『しょ…うきさん…?』




ベットで寝ている私の手を握り床に座ったまま寝ていた。




髪の毛…フワフワ。




真っ黒な翔輝さんの髪の毛を思わず撫でた。












……あれ?




私はもう一度翔輝さんの頭に触れた。




ほんのり伝わる温かさ。





翔輝さん熱ある。











昨日、私には着替えろって言ったくせに自分はきっと私が寝るまで濡れたスーツだった。





翔輝さん…。





「……んっ…か、おん…?」




翔輝さんの綺麗な金の目が私を捕らえた。





『翔輝さん…ごめんなさい。』




「どうした、いきなり。」




『……翔輝さんもベットに寝て。熱ある。』




翔輝さんはしばらく固まっていた。









「フッ………大丈夫だ。俺を誰だと思ってる。」





『誰って…関係ないよ…翔輝さんも一応人間だから。』






翔輝さんはまたしばらく固まってから突然笑い出した。











「一応…な。ククッ………華音面白いな。」




こうしてる間も翔輝さんの額には汗が出てきた。





『翔輝さん、とにかくベットに寝て?』




「……あぁ。そうしてもらうよ。」




翔輝さんはゆっくり私の横に寝っ転がった。









「なぁ、華音。」



真面目そうな翔輝さんの声が聞こえた。




『……はい。』




「俺の熱が下がったら………本家に行けるか?」





本家に……?



あ、翔輝さんは若頭なんだ。