「う…っ」

――気が付くと、晴海は広場の石畳の上に倒れ伏していた。

状況を呑み込めず上体を起こして周囲を見渡すと、目の前の様子が激変していることに驚愕した。

「何、これ…」

視界一面に広がる、焔。

それはつい先程まで広場“だった”場所を包囲する形で轟々と燃え盛っている。

広場の中心は爆発が起きたか隕石でも落ちてきたかのように、地面が大きく抉れていた。

これはあの衝撃が起こしたものなのだろうか――其処にあった筈の噴水は跡形もなく消し飛んでしまっている。

「なにが…おきたの…?」

晴海もそれに吹き飛ばされたのか、先程まで立っていたであろう場所からかなり離れた場所に倒れていた。

(そうだ、陸は…?!)

すぐ傍にいた筈の陸の姿が、見当たらない。

急いで陸を探そうと立ち上がり掛けた瞬間、ずしんと全身に鈍い痛みが走った。

出血こそしていないらしいが、何処か身体を地面にでも打ち付けたのか。

それでも必死で辺りを見渡すも、砂塵が立ち込めていて見通しがかなり悪い。

まだ怪我が良くなっていないのに、この謎の爆発で更に負傷でもしていたら――

「陸…!」

焔が巻き上げる砂埃と熱風で、あまり大声を張ることが出来ない。