「兄弟同士で争わせるなんて、そんなの残酷過ぎる…絶対に許せない…!!」
「!」
――京に、謝らなくては。
陸が月虹に連れ戻されてしまったのは自分のせいだ。
自分が香也に捕まらなければ、こんなことにはならなかった――賢夜や夕夏も、あんな目に遭わなかったのに。
「あの、京さん…」
躊躇いがちに声を上げ掛けた瞬間、看護師の女性が足早に駆け寄ってきた。
「若様、こちらにいらっしゃいましたか!領主様がお呼びでございます、すぐお邸までお戻りください」
「解った、有難う」
京は抑揚のない声で返事をしながら、看護師に頷いて見せた。
「それから、晴海さんという女の子もお連れするようにと」
そこで、不意に看護師の口から自分が出てきて思わずびくりとする。
「ぁ…わ、私ですか?」
女性は笑顔を見せると、こちらに向かって軽く会釈した。
「ご一緒でしたか。では、もう一人のお連れの方には私からお邸に呼ばれた旨をお伝えしておきますね」
「…晴海ちゃん、君も疲れてるのにごめんね。行こう」
「は、はい」
表情を変えず手短に告げられ、晴海は落ち着かない気分で京と共に病院を後にした。
「!」
――京に、謝らなくては。
陸が月虹に連れ戻されてしまったのは自分のせいだ。
自分が香也に捕まらなければ、こんなことにはならなかった――賢夜や夕夏も、あんな目に遭わなかったのに。
「あの、京さん…」
躊躇いがちに声を上げ掛けた瞬間、看護師の女性が足早に駆け寄ってきた。
「若様、こちらにいらっしゃいましたか!領主様がお呼びでございます、すぐお邸までお戻りください」
「解った、有難う」
京は抑揚のない声で返事をしながら、看護師に頷いて見せた。
「それから、晴海さんという女の子もお連れするようにと」
そこで、不意に看護師の口から自分が出てきて思わずびくりとする。
「ぁ…わ、私ですか?」
女性は笑顔を見せると、こちらに向かって軽く会釈した。
「ご一緒でしたか。では、もう一人のお連れの方には私からお邸に呼ばれた旨をお伝えしておきますね」
「…晴海ちゃん、君も疲れてるのにごめんね。行こう」
「は、はい」
表情を変えず手短に告げられ、晴海は落ち着かない気分で京と共に病院を後にした。