何も隠してなんかない、何も嘘なんて言ってないって、そう言い返して欲しいのに。
どうして、黙ったままでいるの――
「お前が言いたくないのなら、俺が教えてやるよ」
香也は陸の反応に満足したのか、晴海の首から手を離してこちらに向き直った。
「晴海、お前の父親と弟は事故で死んでなどいない。…だが父親は最近までは生きていた、と言うのが正しいか」
――父と、風弓が、死んでない。
「最近まで、って…何?」
「お前の父親、才臥 充は薄暮の兵器開発施設・月虹に属する研究員の一員だった。だから俺は勿論、其処にいる陸も、お前の父親のことを知っている」
(父さんが、月虹の研究員…?!)
そんな、そんなこと。
「…っ知らない……!!父さんがそんなっ…私、知らない!!」
「お前には知らせなかったらしいな」
「どうして…っ?陸も…っそのことを知ってたの…!?だったらどうして、今までっ…」
「言える筈ないよなあ、陸」
香也は笑いながら、視線だけを陸のほうへ向けた。
陸は何も言わず、ただ俯いている。
「り…く……?」
「奴はな、月虹から逃げるとき才臥を見殺しにしたんだよ。お前の父親は生きていたのに、陸のせいで死んだんだ」
どうして、黙ったままでいるの――
「お前が言いたくないのなら、俺が教えてやるよ」
香也は陸の反応に満足したのか、晴海の首から手を離してこちらに向き直った。
「晴海、お前の父親と弟は事故で死んでなどいない。…だが父親は最近までは生きていた、と言うのが正しいか」
――父と、風弓が、死んでない。
「最近まで、って…何?」
「お前の父親、才臥 充は薄暮の兵器開発施設・月虹に属する研究員の一員だった。だから俺は勿論、其処にいる陸も、お前の父親のことを知っている」
(父さんが、月虹の研究員…?!)
そんな、そんなこと。
「…っ知らない……!!父さんがそんなっ…私、知らない!!」
「お前には知らせなかったらしいな」
「どうして…っ?陸も…っそのことを知ってたの…!?だったらどうして、今までっ…」
「言える筈ないよなあ、陸」
香也は笑いながら、視線だけを陸のほうへ向けた。
陸は何も言わず、ただ俯いている。
「り…く……?」
「奴はな、月虹から逃げるとき才臥を見殺しにしたんだよ。お前の父親は生きていたのに、陸のせいで死んだんだ」