「ところで、晴海」

「何?」

「傍目から見てるとさ。君と陸はやっぱりどう見ても、お互い好き合ってるようにしか見えないんだけど」

「なっ…!」

不意に振られた話題に思わず動揺して、ばしゃん、とお湯を跳ね上げてしまった。

「けどさ、確かに何処かずれてるような、擦れ違ってるような気はするんだよ」

「だ…だってっ、陸が好きなのは私じゃないものっ」

「それも何か疑わしいんだよね。ちょっと賢に探りでも入れさせようか」

「さ、探りっ…?いいよ、陸に変に思われちゃうよっ」

晴海はぶんぶんと首を振ったが、夕夏は妙に乗り気でくすりと笑った。

「ん?どんな女の子が好みだとか、そういう健全なお年頃の男子な話題から入れば大丈夫でしょ」

「な、な…っ何、言って…」

「君に其処まで否定されると、気になるじゃない?陸が君をどう、思ってるのか」

「…!」

傍にいたい。

傍にいて欲しい。

そんな言葉を互いに口にしたけれど、陸のあのときの言葉が果たして、恋愛感情に繋がっているかは解らない。

「晴海はこのまま、何も確かめないでいいの…?」