その返答を聞いて、周は安堵したように顔を綻ばせた。

「やはり魔法の核までは取り除けなかったから、完全とは言えないがな。お前が持つ本来の力の六・七割までなら発揮出来る筈だ」

「…!有難う父さん。腕、傷付けちゃってごめん」

陸がそう言ったときには、周は腕の傷をもう治癒魔法で塞いでしまっていた。

「大したことないさ。お前のほうがずっと頑張った」

周に頭を撫でられ、陸もくすぐったそうに笑った。

「陸、良かったね…凄くつらそうだったから心配したよ」

「晴も傍にいてくれて有難うな。手、痛くなかった?」

「うん。大丈夫」

すると陸は、先程握っていた晴海の左手を今度は両手で掴んだ。

「ひゃっ」

「…ん。良かった、傷付けてなくて」

陸が左手を眺めていると、ふと手首に着けた腕輪にその指が触れる。

かしゃん、と真珠の重なり合う音がした瞬間に、陸は一瞬眼を見開いた。

「……っ…」

「陸?」

「…なんだ?今の…」

怪訝そうに眉根を寄せて、陸はもう一度真珠の腕輪に指先で触れた。