ずっと、何かに追われている夢を見ていた。
幼い自分はその“何か”が怖くて、泣き出してしまいそうになりながら、必死にその何かから逃げている。
いつも最後には逃げ切ることが出来なくて、真っ暗な闇に呑み込まれるところで目が覚める。
――けれど目を覚ましても、其処は夢の続きのように暗い場所で。
自分が今いるのは現実なのか、夢の中なのか、よく判らなくなった。
それとも、自分はまだ夢から醒めていないのかと――
夢の中でも、現実であっても、心が休まることはなくて。
恐くて、恐くて、不安に押し潰されそうで。
壊れてしまいそうだった。