「っ危ない…!」

咄嗟に陸を支えようと、腕を伸ばす。

何とか受け止められたものの、陸はそのままがくんと晴海の肩に凭れ掛かったまま動かなかった。

「りく…?」

触れた陸の肌は、驚く程冷たい。

呼吸は微かにしているが、それも今にも止まってしまいそうなくらい弱々しい。

「陸!!」

必死で呼び掛けたが、陸の眼は閉ざされたままだった。





驟雨(しゅうう)の中の邂逅 終.