――寒い。
暗くて、冷たい…
まるで、月虹にいた頃へ引き戻されたかのようだ。
「……は…つかったか」
「…申し訳…ません…見失…ました……」
「っの役立たず共がっ!…もういい、下がれ!!」
誰かの怒声と、それに謝罪する声がすぐ傍で聞こえる。
痺れていた全身に、徐々に感覚が戻り始め、それと入れ替わりに痛みが襲ってきた。
身体中が軋んで、身動ぎをするだけで激痛が走る。
(此処は…何処だ…?)
それでもまだ靄が掛かっている意識の中、唐突に頬へ衝撃が与えられた。
「っ…!!」
「まあいい…こいつさえいれば、必ず晴海は俺の元に来る」
目の前に立つ男――秦は、陸の前髪を乱暴に掴んで顔を上げさせた。
どうやら、先程の衝撃は右頬を殴られたらしい。
「よう…そろそろ麻痺が取れてきたか?感覚が戻ってるか確かめてやるよ!」
今度は左頬に痛みと衝撃が走った。
身体がよろめくと同時に、頭上からがしゃん、と鈍い金属音が響く。
暗くて、冷たい…
まるで、月虹にいた頃へ引き戻されたかのようだ。
「……は…つかったか」
「…申し訳…ません…見失…ました……」
「っの役立たず共がっ!…もういい、下がれ!!」
誰かの怒声と、それに謝罪する声がすぐ傍で聞こえる。
痺れていた全身に、徐々に感覚が戻り始め、それと入れ替わりに痛みが襲ってきた。
身体中が軋んで、身動ぎをするだけで激痛が走る。
(此処は…何処だ…?)
それでもまだ靄が掛かっている意識の中、唐突に頬へ衝撃が与えられた。
「っ…!!」
「まあいい…こいつさえいれば、必ず晴海は俺の元に来る」
目の前に立つ男――秦は、陸の前髪を乱暴に掴んで顔を上げさせた。
どうやら、先程の衝撃は右頬を殴られたらしい。
「よう…そろそろ麻痺が取れてきたか?感覚が戻ってるか確かめてやるよ!」
今度は左頬に痛みと衝撃が走った。
身体がよろめくと同時に、頭上からがしゃん、と鈍い金属音が響く。