「…何だって」
「子が子なら親も親だとは常々思ってたが、今回ばかりは酷過ぎる!あの子が犯人って証拠は何もないってのに…」
仄は入って、と低く夫婦に告げて二人を招き入れると、素早く扉に鍵を掛けた。
奥さんは居間に入ってくると、晴海と陸の姿を見付けるや否や声を上げた。
「晴海ちゃん…!それに陸くんもいたのね!二人共、早く何処かに隠れないと…晴海ちゃんも一緒に役人に連れて行かれちゃうわ!!」
「えっ…?!」
「何だそりゃ、どういう意味?」
当惑する晴海の様子に、仄が不愉快げに眉を顰めた。
「あの馬鹿息子、その兄ちゃんを匿ったって理由で晴海ちゃんを一緒に捕まえる気なんだ。しかももう役人たちを大勢引き連れて、此処に向かって来てるって話だ」
「成程ね…どっちかって言うとそれが狙いか。ところでこの話、どっから情報?」
忌々しげに舌打ちをしながら、仄は夫婦に問い掛けた。
「娘から電話で知らされたのよ。だから、こうして先回り出来たんだけど…」
夫婦の娘は領主邸宅の使用人として働いており、秦に付き纏われている晴海のことを良く気に掛けてくれていた。
今回の件も、領主の命令の中に晴海の名が挙がっていることを聞き付けて連絡をくれたのだろう。
「俺たちは当然、兄ちゃんが犯人なんかじゃないと思っとる!才臥さんや晴海ちゃんがそんな悪人を匿う筈ない」
「陸くんは事件の日、晴海ちゃんと一緒だったじゃないの!私たちだけじゃない、街のみんなもそれを知ってるわ!それに貴方があんな酷い事件を起こすような子じゃないことくらい、顔を見れば解るわよ」
「おじさん、おばさん…」
嬉しくなって思わず有難う、と告げると、夫婦は揃って優しい笑みを浮かべた。
「子が子なら親も親だとは常々思ってたが、今回ばかりは酷過ぎる!あの子が犯人って証拠は何もないってのに…」
仄は入って、と低く夫婦に告げて二人を招き入れると、素早く扉に鍵を掛けた。
奥さんは居間に入ってくると、晴海と陸の姿を見付けるや否や声を上げた。
「晴海ちゃん…!それに陸くんもいたのね!二人共、早く何処かに隠れないと…晴海ちゃんも一緒に役人に連れて行かれちゃうわ!!」
「えっ…?!」
「何だそりゃ、どういう意味?」
当惑する晴海の様子に、仄が不愉快げに眉を顰めた。
「あの馬鹿息子、その兄ちゃんを匿ったって理由で晴海ちゃんを一緒に捕まえる気なんだ。しかももう役人たちを大勢引き連れて、此処に向かって来てるって話だ」
「成程ね…どっちかって言うとそれが狙いか。ところでこの話、どっから情報?」
忌々しげに舌打ちをしながら、仄は夫婦に問い掛けた。
「娘から電話で知らされたのよ。だから、こうして先回り出来たんだけど…」
夫婦の娘は領主邸宅の使用人として働いており、秦に付き纏われている晴海のことを良く気に掛けてくれていた。
今回の件も、領主の命令の中に晴海の名が挙がっていることを聞き付けて連絡をくれたのだろう。
「俺たちは当然、兄ちゃんが犯人なんかじゃないと思っとる!才臥さんや晴海ちゃんがそんな悪人を匿う筈ない」
「陸くんは事件の日、晴海ちゃんと一緒だったじゃないの!私たちだけじゃない、街のみんなもそれを知ってるわ!それに貴方があんな酷い事件を起こすような子じゃないことくらい、顔を見れば解るわよ」
「おじさん、おばさん…」
嬉しくなって思わず有難う、と告げると、夫婦は揃って優しい笑みを浮かべた。