「ん……」
「晴」
ゆっくりと目を開けると、すぐ傍に母がいて、いつになく優しい笑みを浮かべていた。
「あ、れ…?」
「どした、まだ寝惚けてんの?」
「……かあさん…」
辺りを見回すと、窓の外はまだ随分と明るい。
じき夕方らしいが、何故こんな時間に自室で眠っていたのだろう。
「私、今まで何してたんだっけ…?」
「…陸が帰ってきたと思ったら、今度はあんたがぶっ倒れたって聞いて飛んで帰ってきたんだよ」
「倒れた…私が?」
確かに陸が帰ってきたことは覚えているが、そのあとの記憶がはっきりと思い出せない。
しかし倒れた、というのはまた違うような気がするのだが――
「ま、大したことなさそうで安心したよ。陸も随分心配してたんだ」
「…陸は?」
「居間で夕飯の下拵え手伝って貰ってるところ。早く顔見せてやりな」
「うん」
――仄と共に居間に向かうと、落ち着かない様子で椅子に座る陸の姿があった。
「晴」
ゆっくりと目を開けると、すぐ傍に母がいて、いつになく優しい笑みを浮かべていた。
「あ、れ…?」
「どした、まだ寝惚けてんの?」
「……かあさん…」
辺りを見回すと、窓の外はまだ随分と明るい。
じき夕方らしいが、何故こんな時間に自室で眠っていたのだろう。
「私、今まで何してたんだっけ…?」
「…陸が帰ってきたと思ったら、今度はあんたがぶっ倒れたって聞いて飛んで帰ってきたんだよ」
「倒れた…私が?」
確かに陸が帰ってきたことは覚えているが、そのあとの記憶がはっきりと思い出せない。
しかし倒れた、というのはまた違うような気がするのだが――
「ま、大したことなさそうで安心したよ。陸も随分心配してたんだ」
「…陸は?」
「居間で夕飯の下拵え手伝って貰ってるところ。早く顔見せてやりな」
「うん」
――仄と共に居間に向かうと、落ち着かない様子で椅子に座る陸の姿があった。