そのとき――ぐらりと大きく目の前が揺らいだ。
「……っ!!」
地震、いや違う、眩暈(めまい)か。
床にしゃがみ込んでじっとしていると、次第に胸騒ぎがして落ち着かない気持ちに陥った。
暑くもないのに汗が吹き出て、寒くもないのに手がかたかたと震える。
『――……る』
ふと遠くから、誰かの声に名を呼ばれた気がする。
「…だれ?」
恐る恐る問い返すも、此処には自分以外に誰もいる筈がなく、当然返答もない。
気のせい、か。
『………はる…』
「!」
違う――気のせいじゃない。
声と表現するにはあまりに不確かで、音と形容するのも正しいかはわからない。
だけど確かに、聞こえた。
「私を、呼んでる……」
誰が、何処から?
「どうして、私のことを呼んでるの…?」
「……っ!!」
地震、いや違う、眩暈(めまい)か。
床にしゃがみ込んでじっとしていると、次第に胸騒ぎがして落ち着かない気持ちに陥った。
暑くもないのに汗が吹き出て、寒くもないのに手がかたかたと震える。
『――……る』
ふと遠くから、誰かの声に名を呼ばれた気がする。
「…だれ?」
恐る恐る問い返すも、此処には自分以外に誰もいる筈がなく、当然返答もない。
気のせい、か。
『………はる…』
「!」
違う――気のせいじゃない。
声と表現するにはあまりに不確かで、音と形容するのも正しいかはわからない。
だけど確かに、聞こえた。
「私を、呼んでる……」
誰が、何処から?
「どうして、私のことを呼んでるの…?」