「っ木属性は雷も使えるんだったっけ…!」
「そおいうこと。その結界、うっかり触ったりしたら痺れちゃうだけじゃ済まないからね?」
くすくすと笑う少女の声が、砂埃の向こうから少しずつ近付いてくる。
「…あんたが大人しく陸を返してくれるって言うなら出してあげてもいいけど」
「晴海!」
「あんたは邪魔しないで!!」
夕夏に名を呼ばれた直後、再び少女が声を荒げた。
「うわっ…!!」
間近で少女の操る蔓が地面から突き出したような破壊音と、夕夏の悲鳴が聞こえた。
「夕夏?!」
「あは、あたしの結界の中ならこんな無駄な目眩まししてても何処にいるのかすぐに解るんだから――こぉんな風にね」
いつの間にか目の前に迫っていた少女の掌に、首筋を捕らえられた。
「っ…!」
ひやりとした冷たい指先に力を込められ、思わず抵抗を忘れて身を硬くした。
少女の翡翠色の双眸が、こちらを見下すように見つめている。
「捕まえたぁ…さあ、早く陸の居場所を教えてよ。あんたがあたしの陸を誑(たぶら)かして、月虹へ帰さないように仕向けてるんでしょ?」
「ち…が、…」
違う、と言いかけた瞬間、少女の平手に頬を思い切り叩かれた。
「そおいうこと。その結界、うっかり触ったりしたら痺れちゃうだけじゃ済まないからね?」
くすくすと笑う少女の声が、砂埃の向こうから少しずつ近付いてくる。
「…あんたが大人しく陸を返してくれるって言うなら出してあげてもいいけど」
「晴海!」
「あんたは邪魔しないで!!」
夕夏に名を呼ばれた直後、再び少女が声を荒げた。
「うわっ…!!」
間近で少女の操る蔓が地面から突き出したような破壊音と、夕夏の悲鳴が聞こえた。
「夕夏?!」
「あは、あたしの結界の中ならこんな無駄な目眩まししてても何処にいるのかすぐに解るんだから――こぉんな風にね」
いつの間にか目の前に迫っていた少女の掌に、首筋を捕らえられた。
「っ…!」
ひやりとした冷たい指先に力を込められ、思わず抵抗を忘れて身を硬くした。
少女の翡翠色の双眸が、こちらを見下すように見つめている。
「捕まえたぁ…さあ、早く陸の居場所を教えてよ。あんたがあたしの陸を誑(たぶら)かして、月虹へ帰さないように仕向けてるんでしょ?」
「ち…が、…」
違う、と言いかけた瞬間、少女の平手に頬を思い切り叩かれた。