聞き慣れたぞの声のもとへ私は走り出した。

「浬斗ーっ♡」
大好き。すごい大好き。なのにね、なんかち違うの。

ごめんね、こんな彼女で。

こんな私の気持ちも知らない浬斗。

それを隠すように私は合うたびに浬斗に抱きつく。


何度も重ねた唇。

でもね、私の初めてのキスは浬斗じゃなくて雅嵐なんだよ。

雅嵐はそのこと覚えてるかな?

8年前の今日。

恋人岬って場所に雅嵐の家族と私の家族とで行ったの。

その時ね、誰にもバレないようにキスしたんだよ。