そしてあたしにビンタした。



霊安室には冷たく乾いた音だけが
響いた。





あたしは痛くて思わず
叩かれた頬に手を当てた。




「新くんの痛みはこんなもんなんか
じゃないんだからね!あんたが
殺したのよ!あんたがもっと強かったら
垣谷になんかに負けてなかったら
新くんは垣谷なんか殴らないのに。」




「やめなさい!新一の目の前でしょ。」




星也のママは彼女の言葉を
遮った。





それと同時に彼女は
あたしの足元へ座り込んだ。





そして小さな声で「返してよ…」と。