「垣谷が車でひき逃げしたらしい。」




ただただ冷静に静かに話す星也。




「え?」





「さっき警察に逮捕された」




何それ。




あたしは言葉を失っていた。





―――――――いきなり霊安室の
扉が勢いよく開いた。





「新くん!」






入ってきたのは可愛い女の子。





そぉ。




お兄ちゃんの彼女だった。






彼女はお兄ちゃんを抱き締めて
泣きじゃくっていた。






「新くん!新くん!」





何度も何度も叫んでいた。




もちろんお兄ちゃんの返事はなくて。






ピクリとも動かない。