「ねーねーそれよか、椿ちゃんはいつ試合混ざると?」



ミニゲームを終わらせて、俺の元へやって来る御劔先輩。



「あー…簡単に説明すると、俺、1on1専門で。五人バスケは試合見ながら細かいこと覚えてるとこっす」



俺の答えに、御劔先輩はハーフらしい特有のエキゾチックな顔で、なんだか妖艶に笑う。



「ねえ、じゃあ、俺とやる?1on1」



「…いっすよ、別に。俺、御劔先輩より、凄いプレイする人と毎日やってるから、負ける気しないけど」



基本チキンでも、売られた喧嘩は買う主義でね。



ニヤリと笑い返し、ベンチから立ち上がると…。


俺は目の前にいたはずの御劔先輩の左側に移動させられ、長く意外と筋肉質な腕に捕まる。



「御劔、小鳥遊、まだまだ元気そうだな。外周走ってくるか?」



低音の美声で囁くのは、うちの大魔王、秀吉キャプテン。



「ま…マジ勘弁。御劔先輩、勝負は今度で…うぐぇ」



「ぐぎぎぃ…そやね、秀ちゃんにシメ殺されるの嫌やわ」



秀吉キャプテンのシメ技から解放された俺達はフーハーと新鮮な空気を求めた。