変則ルールにつき、次はオフェンスは俺達ターン。



「ほいっ!!」



俺が有ちん先輩の右脇からボールを抜いてバチン、と秀吉キャプテンにボールを弾くと、直ぐ様シュートモーションへ移るキャプテン。


けれど、放った瞬間を狙って左から走って来ていた行雲先輩に阻止される。



まるで、6月の練習試合の肥後学の高森みたいな動きだ。



「うわっ!行雲いつの間にそんなこつ出来るごとなったと?」



有ちん先輩がボールを取り返し、ドリブルしながら叫ぶ。



「へへ!実は練習試合ん時から高森とたまに1on1しよって!」



俺が同じく肥後学の幸ちゃんと仲良くしてたように、行雲先輩も高森と交流していたらしい。



「今度は俺達が仕返しすっばい!」



有ちん先輩から受けたパスで走り出したピカ先輩が、こちらがディフェンスに向かう暇もなく、ワンハンドでボールを握りしめ、ゴールリングにボールを叩き込んだ。