「水高は、まだまだ荒削りやっけんね。俺も含めて、試合の流れによってコンディションも左右されやすかし」



「うん……それに比べて、凌華学院は敵が流れを変えようとしても焦らない」



特に、感情に左右されやすい行雲先輩は、それが持ち味を良くすることもあれば悪くすることもある。



「勝つ為には、もっともっと自分自身も皆んこつも、分かって試合せなんねぇ」



普段無邪気なピカ先輩だけど、バスケに関しては頭を使っているその発言。



ギラリ、とエメラルドグリーンの瞳を輝かせ、闘志を剥き出しにしている。



「御劔、強い相手に燃えるのもいいが、まずは明日のことだろ」



「ひょえっ!秀ちゃん驚かさんでばい!ちべたぁい!」



キャプテンが首筋にペットボトルを引っ付けたことにより、クールダウンしたピカ先輩が、いつもの無邪気な笑顔に戻った。