「ゆっくん!この近くにストバス見っけたんやけど、1on1しに行かん?」
「お、いいねー!やろばい!」
ミーティングが終わり、自由時間になった途端、かわいこちゃんズはランニングの時に見つけたらしいストバスへ。
「俺は少し寝よかな。明日に体力ばチャージせなん」
有ちん先輩は自身のスタミナの源である睡眠を取りに、ホテルの自室へ。
「椿は戦略立てやんな?俺も付き合っていいか?」
「うん。ディフェンスとスタミナ状況でクォーターごとの選手を練るから、ディフェンダーの泰ちゃんの意見は欲しいかな」
俺と泰ちゃんは、DVDを流しながら面子と陣形の確認。
秀吉キャプテンと話していた箱田先生が合流してきて、それは本格的に。
秀吉キャプテンはどうやら、由貴先輩と外に出て行ったようだ。
「お前達は緊張しとらんのか?」
「え…んー、してないって言ったら嘘になるけど、それより、明日万全な状態で挑みたいっす」
箱田先生に対して答えた俺に、先生は背中をポンポン、と叩いた。
「あの冷泉でん緊張しとって由貴に頼っとっとに、お前は、強かなぁ」
あの二人の雰囲気から、何かを察したらしい先生は、ニヤリとお見合いのお節介オバチャンのような顔をする。
「そういうんも、メンタルば整える大事なこつやと思うけん、早くくっつきゃ良かな」
その言葉に、俺と泰ちゃんもなんだか張っていた気持ちが緩み、口元に笑みが零れた。