「…それにしても、酷い。赤点は辛うじて二人してひとつだけだが、どれもこれもギリギリだな」



40点以下は赤点という、少し偏差値の高めの水高。



そんなハイレベルな学校で数学10点、英語22点のこの二人、マジでヤバイっしょ。ある意味その点取る方が俺には難しい。



「ウゲッボォ!……秀ちゃんはどうだったんよ、オェェ!」



ピカ先輩、苦しかったのは分かるが、その小動物みたいな見た目で汚くえづかないでくれ。



秀吉キャプテンは無表情で鞄から順位表を取り出し、ゲボゲボえづくピカ先輩に差し出した。



「うわ……学年8位。敬服致すでござる」



やっぱり秀吉キャプテンは秀才だった。イメージ通りで安心。



「でも、シメられてもめげん。俺、赤点なおかげで良いことあった……イデデキャプテン耳がちょん切れるけん勘弁!」



秀吉キャプテンのシメ技『お花畑へれっつらトリップ』を喰らって尚もそんなことを言う行雲先輩に、耳を引っ張る攻撃で秀吉キャプテンが対応する。



でも、赤点とか来週再テストじゃん。それがダメなら補習なのに、何が嬉しいわけ?ドMなの?初耳なんだけど。